第一期たけのこ王位戦 2回戦長島×浅野戦 棋譜と所感

北海道たけのこ王位戦 2020.12.12 浅野 × 長島北海道たけのこ王位戦 2020.12.12 浅野 × 長島_page-0001 (1)

2020.122020年12月12日、14時からたけのこ囲碁サロンで行われた、たけのこ王位戦2回戦の1局目、浅野哲也さん対長島康裕さんの一局です。

浅野哲也さんはアマ本因坊戦の北海道代表に複数回なるなど、十分な実績のある強豪です。今大会でも優勝候補筆頭と言っていいかもしれません。
対する長島さんも、前回紹介した通り北大囲碁部の猛者の一人。いい対局になることを期待しつつ、対局を見守りました。

強豪同士の一戦にふさわしく、両者とも時間をじっくり使って打っていました。序盤戦では、一手一手に数分かけていたと思います。

白4の位置は、黒5のカカリがピッタリになってしまって一工夫欲しいところ。「私なら白4は5の目外しの位置に打ちます」とは義行先生の言。
白10は普通に一路上に打つべきで、上辺は14とその位置に打っているから、下辺でケイマに打つ意味が分かりませんとこれまた義行先生。

黒15と模様の中心に打ったところで白16のツケ。この手は大変時間を使って打たれた記憶があり、長島さんが長考していました。また、黒17のハネも時間をかけて打たれた手です。きっと、すごい数の参考図を頭の中で構築したのでしょうね。
白16は面白い一手ではあるけれど、17に手抜きでは悪い手になりそうで、黒19では16の右からアテを打ちたかった。そうすれば白16は大悪手になります(義行)。

19は下辺からカカリを打っているけれど、白10のケイマで下辺は価値が低くなっているので、右下にカカリは打ちたくないところ。しかし白20と位を上げてしまうと、結果として黒19がいいカカリになってしまって問題です。白20では、とりあえず黒15の下にハネたかった。

黒33については、そこまでする必要はなさそう。

白36は、白34の左にもう一つオシを打ちたかった。

白38(黒1の左)は負けを早めた感じ。38では18の十にトビを打ち黒15の八にトビなら白14の十と黒33を取って我慢すべきです。
「長島さんは才能あふれる打ち方ですがこの碁では上手くいかなかったようです。浅野さんは手堅くまとめられました。」と、義行先生の評です。

この碁は280手で終局まで打たれており、黒番浅野さんの18目半勝ちとなりました。最後のほうは双方持ち時間が5分を切っており、一気に打ち切ったので長島さんは劣勢を感じていても投了している暇がなかったものと思われます。

その時間の使い方を見ていて、持ち時間を各1時間と、アマチュアの大会としては長めにしたのは正解だったと思いました。ある程度納得がいくまで考えることができ、それでいて終局まで時間がかかりすぎることのないバランスだったかと思います。

長めの持ち時間にできるのも、この大会が2か月間にわたって開催される長期の大会だからで、一局一局にじっくり取り組めるのが特徴です。実際、一日で打ち切るトーナメントだったら、こんな風にブログに所感を書き起こすのも不可能だったでしょう。

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