北海道たけのこ王位戦 2020.12.06 igobear × 岩田
今回の棋譜は、12月6日に打たれた北海道たけのこ王位戦の2戦目、igobearさん対岩田昌真(しょうま)さんの一戦です。この対局も札幌と釧路の一戦なので、東洋囲碁によるネット対局です。
黒 岩田昌真 白 igobear
igobearさんは札幌市在住の小学3年生、ちびっこながらあの洪道場で修業をしていたという本格派で、札幌には数か月前に引っ越してきたばかりです。11月に行われたたけのこ囲碁サロンのオープニングの時には、プロ指導碁を受ける際に「互先がいいな~」と言って本当に互先で指導を受けていたのが印象的でした。
対する岩田昌真さんは、釧路在住、囲碁サロン尾越で打っている中学1年生。筆者は2019年11月に囲碁サロン尾越さんを訪問した際に彼と打っており、3子でやられてしまいました。石の形がきれいという印象を持った記憶があります。それからさらに1年たって、腕を上げていれば十分やれると思います。
黒5の三々については、左下のカカリか右辺を三連星に打つぐらいでいいと義行プロの評。昨今大流行のダイレクト三々は良さと目的が分からないということでした。
黒11は下辺の星や星下で問題なし。白12は7の四にトンでみたい。7の四は、この後なかなか打たれませんが一貫して好点であり続けたようです。
この形だと上辺は価値が低いので、黒15では三々に受けたほうがよかったとのこと。たしかに、左上の黒の位置が低いので、上辺には発展性がなさそうに見えますね。
黒19のコゲイマは中途半端で、ここを打つなら一路下のコスミか、二路下のサガリがよかったでしょう。先ほどの7の四も好点です。白20、黒21も7の四に打つべきとのことで、プロの目から見ると「いいから早く7の四打てっちゅうの」という気分なんでしょう。
黒31はポン抜きの一手で、黒37は生きている石を逃げるつまらない手でした。その前段、黒35でようやく打たれた7の四。長かった……
黒40からの荒らしは、やり方はいいんですが時期が早く、9の十六にヒラキを打ちたいところ。黒45では41の石を15の十八に下がって白を生きさせ、黒は8の十六にヒラキを打ちたかった。実戦では、生きている石を強引に取りに行ったので、反撃されて白66まで。黒が逆に取られて碁が終わってしまいました。
この辺、筆者は斜め後ろから観戦していたんですが、黒59、あくまで取りを目指す黒の着手を受けて、白60からのigobearさんの打つ手はものすごく早く、一手打ったら即座に次の自分の手の位置にカーソルをもっていっていました。「一本道で勝った!」と思ったんでしょうね。完全にとどめを刺しに行っていました。
同じ日に、この前に打たれた長島・内田戦に比べると双方じっくり打っており、さっきと違って息の長そうな後だなと筆者は思っていたんですが、一か所ミスるとそこで終わってしまうのが互先の厳しいところですね。
ここで実質的に勝負はついているのでプロの評はここまでですが、筆者が感嘆したのはこの先の白のまとめ方です。白102までせっかくものにした黒4子を、白134からあっさり捨てて模様をまとめる老獪さ、全然子供っぽくありません。古碁の世界では、道策先生がよくこういう打ち回しを見せているような気がします。おっかない子だな~と思いました。
igobearさんがその実力をきっちり見せつけた一戦となりましたが、岩田さんも右下隅の折衝で小さく生きさせてよそに回ればよいのだという大局観を持てるようになれば、まだまだ延びるでしょう。将来的に北海道のアマチュア囲碁界をけん引する一人になってくれると、大いに期待しています。

