義行式革命的実戦指南(2016.10.09)

インターネットで2016年からたけのこ囲碁協会が主催し開講している義行式革命的実戦指南のバックナンバーをYouTube革命的囲碁チャンネルで順に順に公開します。
革命的実戦指南は毎回布石のテーマを決め義行が皆様と対局(途中で打掛)
打掛後に詳しく解説する講座です。
今回は2016年10月9日分の講座を公開します。
テーマは三子局・白目外しに黒小目&高目カカリです。
この後を黒番で自由に打って頂きました。
上手に目外しを打たれるのが苦手な方はぜひご覧下さい。

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第1期北海道たけのこ王位戦 棋譜と所感 伊東さん×嶋さん

第1期たけのこ王位戦  伊東 嶋 白中押勝ち_page-0001

1月9日に行われた、伊東信義さん対嶋孝浩さんの対局の棋譜と所感をアップします。
一方の伊東さんはすでにご紹介した通り、釧路在住の尾越先生門下生です。
対する嶋さん、こちらは囲碁歴19年、社会人アマです。2009年に学生本因坊戦の北海道代表になったり、日本学生囲碁王座戦の本戦に出場したりと学生時代に活躍し、その後も全道アマ囲碁名人戦で3位、宝酒造杯6段戦札幌大会で優勝して北海道代表になるなどの実績がある強豪です。
筆者は従来嶋さんとは面識がなかったのですが、たけのこ囲碁サロンオープン後間もなく初めてお客さんとしていらしたときにお会いしました。その時に「どのくらいの棋力でやられているんですか?」と聞いたのに対して「いちおう6段でやってますけど……」と言われて少しばかり緊張しました。
というのは、碁会所あるあるなんですけど、「6段」てけっこう厄介なんですよ。上から下までで5子くらいの腕の差があると思います。例えばうちの席主の一人である渡部春妃さんは北海道女流アマを三連覇した結果正規に「6段」の免状をもらっているから6段ですが、サロン内での対局の時には8段でやってもらっています。また、サロン内の「6段」の方々は、前身である「新札幌囲碁会館」時代には7段でした。ややインフレのきらいがあったので、「新札幌たけのこ囲碁サロン」になるときに全部1段ずつ下げたのです。
ほとんどプロと遜色ないような人でも「6段」、プロに5子置くくらいの人でも「6段」。よくある話です。だからよく「プロと打つとき何子で打ちますか?」と聞くのですが、時々「プロと打ったことないんで……」と返されて困ることも。
のちに判明したのは、嶋さんはそんな中でも上の方の6段である、ということです。さて、嶋さんが上の方の6段なら、囲碁歴3年に満たないけれど伊東さんも十分上の方の6段です。対局の内容はいかに?

嶋さんの黒番です。

黒9、ここでは右辺に打ちたいと義行先生。

伊東嶋 変化図1

また、白14ではワリウチで問題ないと思うとのことです。

伊東嶋 変化図2png

さらに白14からの手段はおもしろいのだけれど、30までの結果は白はあまり面白くないような気がするそうです。

そして黒31はボウシを打ちたいとのこと。筆者的には打たれるといやな気分になるやつです。受けるべきか、逆襲するべきか、無視するべきか、めちゃ迷った上でよくない選択をする、よくありませんか、そういうこと?

伊東嶋 変化図3png

義行先生は黒41では切りたいといいます。

変化図は黒が上手くいきすぎすぎなので白はどこかで変化するのですが、それでも黒十分やれると思う、とのことです。さて、でもどこで変化すればいいのかな、と筆者はいろいろ考えてみましたが、あんまり白的にしっくりくる変化が見つけられませんでした。

伊東嶋 変化図4png

白46から50は元気が良い手、と義行先生の評。ただ少し無理気味らしいです。

「黒57では間に合わせですが黒1とかはどうでしょう、と言っておきながら私なら実戦のようにポン抜きます(笑)。」

え、じゃあ実戦でいいってこと!?

伊東嶋 変化図5png

黒59から61ですが白60から62と封鎖されると少し嫌な感じで、59では黒1から7とこのラインを切りたい、とのことです。変化図を見ると確かになんか安心感が。

伊東嶋 変化図6png

 

「白60から62のラインがつながると左上の厚みが活きて白が面白いかな。

最後に細かい話ですが黒89は辛すぎます。せめて黒1とノビましょう。」と義行先生の言。

筆者は内側で眼を作る手って、打つときいつも悩みます。よくこのように言われるし、実際相手方によそへの先着を許すとそれっきり反撃の機会が回ってこないこともしばしばで……。でも、かつては眼を持たないと死ぬってわからなくて死んでたんですから、それに比べれば、って筆者の話はどうでもいいですね、スイマセン。

伊東嶋 変化図7png

黒の方は部分的な戦いに強く白の方は大局観が優れていると思う、と義行先生のまとめがあります。筆者は、伊東さんの石は外側にピタピタとまとまっていくことが多いと感じるのですが、部分的な地に拘泥しないあたりがそういう評価につながるのでしょうか。

190手完、白中押勝。強豪相手に立派な勝利でした。伊東さんは次に浅野さんと当たります。

 

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革命的認定問題339~342問解説会

インターネットで2012年から開講している義行式革命的認定問題解説会のバックナンバーをYoutube革命的囲碁チャンネルで順に公開しています。
今回は2014年8月4日に開講した339~342問の解説会です。
ぜひご覧下さい。

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北海道たけのこ王位戦 igobearさん × 中村泰子さん 棋譜と所感

2021.01.03 三橋 中村_page-0001

2021年最初の対局は、初戦を勝ったigobearさんと、インストラクターの中村泰子さんの対局です。中村泰子さんは日本棋院北海道本部で囲碁教室の講師をしているので、北海道囲碁界では有名な人です。ペア碁棋戦にもよく出ていて、1990年にはNKB杯国際囲碁アマチュア・ペアトーナメント大会で全国3位に入ったことがあるそうです。棋風は「ガチャガチャ」読む力戦派。当たるかどうかは後回しにして、体ごと突き抜くようなパンチを深く踏み込んで打ってくるような印象で、実際に打ったら冷や汗が出そうです。またはそのままあぶら汗を流して悶絶しそうです。

 

筆者はこの大会の参加者のほとんどと打ったことがないのですが(ないのかよ)、中村さんは一度身内の碁会にお招きしたときに打ったことがありません(ないのかよ)。でも、その時に当協会秘蔵(隠してないけど)の21路盤で、広くて楽しい広くて楽しいと言いながら碁をめっちゃ愉快そうに打っていたのが印象的でした。楽しげに碁を打つ人を見ていると、こっちまで楽しくなりませんか。

 

さて、本年最初の営業日である1月3日に打たれたこの対局ですが、実はビルの真下の部屋でもまだ営業が始まっていなくて、ストーブを全開に焚いても足元がひんやりする底冷えの中で行われました。まして、年末年始は滅多にない寒波が北海道を襲っていて、外は例年の冬より5度は寒かろうかというキンキンの天候。碁の内容とは何の関係もありませんが、両対局者含めてみんな上着を着て碁を打っていました。中村さんのトレードマーク、ロングのストレートへアーと黒いコートでなんだかメーテルみたいでした。(メーテルは金髪だけど……)

 

前置きが長くなりましたが、ここから対局の中身について。 なお、今回から突然変化図がつくようになりましたが、これは解説役の義行先生が検討画面を写真にとることを思いついて写真で示してくださるようになったからで、別に今まで手を抜いていたわけではありません。まあ、碁において手抜きというのはそんなに悪いものではないんですが……。

黒11にカカリを打つなら黒9ツギは重くなるので打たない方が普通らしいです。

白12は左辺星にハサミたいと義行先生。黒9ツギからの三間ビラキを邪魔してピッタリということでしょうか。

 

黒15はAI流かと思いますがこの局面では問題ではないかと義行先生はいいます。白18に黒19と打ち込むのであれば黒15で18辺りにハサミを打つべきでは、とのこと。

また、黒27は6の三に打ち居直りたいそうです。ガチャガチャ読むのが中村さんのスタイルですので、きっとそんな手も読んでいたことと思います。

(ところで、さんざん変化を読んだあげく相手がどの変化にもない手を打ってきたときって、疲れませんか。よくあることですが。)

 

義行先生の推奨では、黒29は32に打ってはとのこと。

白8の四なら黒34がぴったりです(変化図)。

三橋中村 変化図0

 

 

また白30は8の四に打つべきでしょうとのことで、黒23を取ってもつまらないというのがその心です。

黒33は露骨ですが9の四のアタリを打ちたい。(変化図参照)

白ツギならそれからハネればツギが先手になり黒7と打つことが出来ます。たしかにこの図は黒いいですね。厚みと深みを感じます。

三橋中村 変化図1

 

白36は打ち過ぎとの評価。形勢不利との判断でしょうかと義行先生の指摘がありますが、局後にそういう話はしていなかったような気がします。単なる棋風かもしれません。

地合は悪くないので変化図白1くらいで良いと思います、と先生はいうのですが、ここは(白38で)打たれたら嫌だなとigobearさんが思っていた箇所だそうです。局後に「そっちだったかあ~」と中村さんが言っていました。

三橋中村 変化図2

黒37はめっちゃ冷静で渋い島村先生(わかるかな?)のような一手!だそうです。

義行先生ならカッとなって39かその一路下に打ちそう、らしいですよ。

島村 俊廣(しまむら としひろ)、1912年4月18日 - 1991年6月21日。三重県鈴鹿市出身、日本棋院所属、九段、鈴木為次郎名誉九段門下。王座戦、天元戦優勝、本因坊戦挑戦2回。渋い辛抱のいい棋風で「いぶし銀」と呼ばれ、また「忍の棋道」を自認した。

 

白38では下図のように36を捨てる感じで打ちたい、もちろん黒が36を取るかは不明ですが、とこれまた義行先生。

三橋中村 変化図3

 

白64まで白は逃げるだけの辛い展開、と義行先生が指摘しますが当の本人はそこまで悲観していなかったように感じました。局後の検討のときの雰囲気では。

 

続いて

黒71は15の十にボウシを打ちたい。

白72は15の十にトブくらいです。

 

と、義行先生の評があるんですが、この辺では筆者は白がしのげるのかどうかひやひやのし通しでした。筆者と同じくらいの棋力の観戦者のオジサマもひやひやしていたみたいです。床もひやひやしてましたけど……。

 

黒77のツギは白が打たないところなので不要です。14の八に押しましょうよと義行先生が言うのですが、筆者なぞは10回打ったら10回つぎそうです。だって、怖いし……。

 

この後も難しい戦いが続いたのですが解説はここまでで、最後は残り時間の多い方が有利そうですね、と義行先生のまとめがありました。これがビンゴで、最後は中村さんが0.5秒くらいで一手一手を打っていました。人間があんなに早く打つところを初めて見ました。芸術的でした。

 

ちょっと補足しますと、局後の検討で白170のハネが黒地をほとんど減らしていなくて小さいヨセで、どうせなら左上隅をはねるべきだったという話になりました。最終的には2目半ですから、そういう差で勝ち負けがひっくり返った可能性もあったわけですね。Igobearさんは持ち時間を25分くらい余していましたから、たしかに持ち時間の差が勝敗に直結していたような気がします。

 

これにて、igobearさんは義行先生を除くベスト4に勝ち残りです。最年少にしてベスト4は実にお見事です。

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革命的格言講座・33

インターネットで2011年から2016年まで開講した義行流革命的格言講座のバックナンバーをYoutube革命的囲碁囲碁チャンネルで順に公開しています。
この格言講座は「囲碁サークルうさぎくらぶ」のHPに掲載し書籍も第1~6巻が出版されています。
書籍に掲載されている順に毎回3格言ずつ紹介していきますのでぜひご覧下さい。
今回は2014年3月17日分の講座を公開します。

【今回紹介する革命的新格言】(第4巻・驚愕の互先戦法)
中国流は大きなシマリと考えよう!
地を作るヒラキの幅は五間まで!
先に進めなくなったら必ずバック!

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第1期北海道たけのこ王位戦 棋譜と所感 道川×加藤戦

北海道たけのこ王位戦 2020.12.27 道川 × 加藤 棋譜_page-0001

2020年最後の対局は、道川伊織さん対加藤純也さんでした。
道川さんはすでにご紹介したとおり、北海道では指折りの打ち手。対する加藤純也さんは、大通囲碁センターの閉店を受けて、行き場を失ってしまった人たちの受け皿として囲碁サークル「らんか」を立ち上げて活動している、北海道アマチュア囲碁界を支えている重要人物の一人です。打ち手としてもかなりのもので、北海道大学囲碁部の、かつての団体メンバーの一人でもあります。棋風はバリバリの力戦派ということです。

黒7、最近は非常によく見る三々入り。左下と右上、どちらにも白がいますが、どちらから押さえるべきか。「相手は数秒考えるので、持ち時間制の碁だと時間の面で少し得」とは、王位戦参加者の長島さんの言です。

いっぽう、右下隅で黒が一間にシマったことで右辺の価値が上がったので、黒7では16の六に一間で受けて、白上辺星のヒラキに黒は右辺星周辺に展開したいと義行先生はいいます。
それだと黒が右辺に偏りすぎともし感じるのであれば、黒5で中国流に打ってはどうかということでした。

白6のカカリは上辺重視だと思うので、白12では上辺にヒラキを打つのが常識的ではないでしょうかと義行先生の評ですが、力戦派の加藤さんはカカリに手抜かれたら両ガカリをしたくなるのだろうと勝手に筆者は想像します。検討でも、「両ガカリしたくなりますよね」と言っていたような?

黒19は21にツグべきじゃないかと義行先生の指摘で、対して白20では21に切る一手だと思います、とのこと。
義行先生は続いて黒23では一路右の三線に打ちたいそうです。そういえばですが、黒は23を打つときに少し長考していたようで、どこにはさむか、考えていたものと思われます。
続いて白24では、黒23の二路右にスベリを打ちましょうと義行先生の推奨です。四線だと白がここにスベリを打てるので、黒23では三線のほうがいいということなんでしょうか。

義行先生は黒25では29にハネたいそうですが、ともあれ実戦黒25を受けての白26は無理手で、25の一路上、13の三に受けるしか思いつかないということです。

また、白32では15の九にカケツギを打って耐えるしかないとのことで、実戦では黒33と切られて苦しくなってしまったと。

この碁のポイントは黒21のところにどちらが打つか、だと思うというのが義行先生のまとめでした。

局後の検討でも、白26はちょっと無理では、という話はしていたように思います。
しかしながら、白の加藤さんとしては普通に打っていたのでは勝ち目が薄いと考えていたそうで、どこかで戦いを起こして自分の土俵で戦えるように持っていきたいという狙いがあったらしいですね。そういう意味では、このあと終局までねじりあいの碁が続きますから、白は狙った展開に持ち込めていたものと思われます。

局後の検討で、途中、白78で先に黒79のところにホウリコミを先に打ってから78の位置のオキを打てば、黒15の二ハネ、白オサエ、黒サガリから白が右上をコウに持ち込む手順があり、コウ材がないから黒は困ったという話が出ました。そのように白にチャンスがあったことからも、白の作戦はある程度奏功していたとみるべきではないでしょうか。

昔そういえば、特撮ヒーローもので敵方が自分たちの有利な空間に引き入れるやつで、「魔空空間にひきずりこめー!」みたいなのがあったような気がするんですが。さしずめ囲碁の魔空空間といったところ?

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新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。

昨年は韓国囲碁ツアーが延期、たけのこ杯北海道こども囲碁大会も中止になるなど新型コロナウィルスに振り回された1年・・・。
たけのこ囲碁協会として何も出来ないまま1年が終わるのかと心配していたのですが11月には「新札幌たけのこ囲碁サロン」を立ち上げオープニングイベントを開催、12月からは北海道在住者による「たけのこ王位戦」を開催することが出来ました。
新札幌たけのこ囲碁サロンでは今後も初心者から高段者の皆様に楽しんで頂けるイベントを開催する予定です。
また延期になった韓国囲碁ツアーを実施、たけのこ杯北海道こども囲碁大会も少し大会内容が変わるかもしれませんがぜひ開催したいと考えています。
皆様、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2021年1月1日
たけのこ囲碁協会理事長 日本棋院八段 谷村義行

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第1期北海道たけのこ王位戦 棋譜と所感 伊東×渡部戦

2020.12..19伊東渡部

北海道たけのこ王位戦 2020.12.19 伊東 × 渡部 棋譜

こちらは、12月19日に打たれた伊藤信義さん対渡部春妃さんの棋譜です。

伊東信義さんは釧路在住の小学5年生。とても礼儀正しく、はっきりとものをしゃべる感じのいい少年です。囲碁サロン尾越で碁を学びながら本気でプロを目指しており、今年のワイズアカデミー杯では若手棋士や全国から選抜された強豪小学生に交じって7戦中2勝をあげています。筆者が出たら3子置いたって7戦して7敗するのは確実ですから、2勝したのは本当に立派だと思います。

 

他方の渡部春妃さんは、北海道女流アマを3連覇している女流の強豪。北海道大学囲碁部に所属している大学4年生です。実はたけのこ囲碁サロンが運営できているのは彼女の働きによるところが大きく、やる気と情熱はあっても時間がない筆者に代わって碁会所の席主(受付)を引き受けてくれ、さらに席主をしてくれる女性をもう2名見つけ出してきてくれたのが彼女です。普段は木曜日と土曜日にサロンに入ってくれています。たけのこ囲碁サロンのキーパーソンの一人です。

 

いっぽう、筆者はたけのこ囲碁サロンを運営する前から伊東信義さんの後援会に入っており、伊東さんが大会出場のため札幌に来る時には交通費のカンパをするなど、けっこうがっつり応援をしています。つまり、この対局は両者ともいわば筆者の身内でして、心情としてはどちらにも勝ってほしいところでした。ともあれ、いい対局を期待しつつ観戦に臨みました。

黒7ツケ、この狙いはよくわからないのでそのうち本人に聞いてみようと思いますが、白8では右にノビるか右下にハネるべきだったのではというのが有力説です。実戦のようにサガってしまうとケイマのシマリに肩ツキされたのと同じになってしまい。一間にシマった意味がなくなるのだそうです。言われてみれば、って感じです。観戦してる時は全然気づきませんでした。筆者もいいかげん鈍いですね。

 

黒は目外しを2か所打って発展性重視の布石なので、AIうんぬんと関係なしに黒11の三々入りは問題なのではと義行先生の指摘ですが、ただ中央志向は「私がこの布石を打ったら」という仮定なので対局当事者はそうは考えていないのかもしれない、という留保付きです。

白20は義行先生なら17の一路上に二段バネしたいとのことで、黒が切り取れば上からアタリをして様子を見るそうです。「様子を見る」ってよく聞くフレーズですけど、筆者は「様子を見る手」というものを打てたことがありません。きっと高等戦術なんでしょう。

黒21は手筋(だそう)。黒29まで黒の壁がピタッとできた様は確かに美しいです。
白30は35にスベリたい、と義行先生。

黒33は一路左にボウシが良さそう、とこれまた義行先生の言で、筆者の好きそうな手でもあります。筆者の場合、たいていそのあと失敗しますが……
白34は危険な一手で、義行先生は10の六に打ちたいそうです。

局後の検討では黒は35のコスミが疑問だったとのことで、たしかにここがコスミだったために黒は白を分断できず、33の一子が切り離されてしまいました。筆者はここの折衝は黒地が大きいので黒が2目3目くらい得したかなと思っていたんですが、当事者たちは黒が悪いと思っていたらしく、義行先生も「白44までは白が上手く立ち回られたと思います。」との感想でした。

黒37は一路左にハネて白15の四に黒15の五に切ってみてはどうか。
フリカワリになりそうだけど黒に不満はないと思うのですが、と義行先生。
白が上辺、黒が右辺、というフリカワリでしょうか。実戦よりも黒がよくなりそうな気はします。

黒45は厳しい。
しかし白48では49にアタリを打ち黒が逃げた調子で48に逃げるべきではと義行先生。
白48までの三子は取られるかもしれませんが黒49にノビられたくないそうです。

この後も難しい戦いが続きますが黒49から55とこのラインをつながれば黒が面白そうな感じですね、という義行先生の総評でした、

 

実際、このあとも難しい局面が続くんですが、黒59の打ち込みから黒77までの変化では白が得をしており、はっきり優勢だったというのが局後に観戦していた皆さんのご意見が一致するところでした。

しかし、直後の白78は不要だったんじゃないかと局後に観戦の浅野さんのご意見がありました。いろいろやってみると、確かに手抜きでも黒を取れていそうな感じはしますが、どうなんでしょうか。

 

その後優勢劣勢が入れ替わったターニングポイントがどこにあったのか、難しい碁ですが、白128は5の十にノビて頑張るべきだったと局後に検討されました。黒に薄みがあるので白を取り切れるものではなく、伊東さんも取り切れないと読んでいたから眼を奪いに行くつもりはなく、ノビにはハネて受けるつもりだったそうです。

最終的には、中央に大きな黒地ができてしまったため、この碁は黒の13目半勝ちとなりました。結果だけ見れば黒が圧勝したように見えますが、緊張感のあるいい碁だったと思います。

伊東さんはこのあと嶋さんとあたります。楽しみに待ちましょう。

 

 

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第1期北海道たけのこ王位戦 棋譜と所感 道川×内田戦

2020.12..19道川内田

 

北海道たけのこ王位戦 2020.12.19 道川 × 内田 棋譜

北海道たけのこ王位戦1回戦、道川伊織さん×内田温子さんの対局の棋譜と所感です。

この対局は12月19日14時から開始されました。
内田温子さんは釧路在住の高等専門学校生です。北海道女流アマでは決勝まで進んだ実力者で、うちのサロンで席主を務めてくれている渡部春妃さんとは何度も当たっているそうです。この碁も釧路と札幌のネット対局です。

対する道川さんは道内の大会で何度も優勝している強豪なので、内田さんも大変ですね。さてどのような対局になりましたでしょうか。

黒7はコゲイマの受けですが、右下を二間にしまったことによって右辺の価値が高いので、一間に受けたいと義行先生。対する白8は趣向ですが、三連星に打つのであれば6のカカリは不要だったようです。

白が上辺にヒラキを打たなかったので、黒9では11の三にハサミを打ちたいところ。
ここで白10がまた中途半端なハサらしく、一路左にはさんで黒の三々入りには左辺の側から押さえたかったところと義行先生の評です。そうすることで、白8の三連星が生きて左辺が白の勢力となるのですね。

ここまで白6は上辺重視、白8は左辺重視で白10は下辺重視と、方針が頻繁に入れ替わっていることが問題で、白は苦戦を強いられます。

「両者とも大場の価値や方針の一貫性に気を付けられたらもっと伸びるでしょう」と義行先生の言葉です。

義行先生的には黒19でこの碁は勝負ありらしいので、この先義行先生の評はありません。

無論、観戦していた私の棋力でそんな判断ができるはずもなく、この辺りではどちらが優勢か分からずに見ていました。
道川さんも、打ちながら表情を変えたり何か言ったりするタイプではなく、「静」の打ち手なのでかなりわかりやすい局面にならないと私にはわかりません。

分かりやすかったのは白30の打ち込みから黒45まで、打ち込んだ白がすっかり取られてしまった時で、フリカワリにもなっていないため、これで黒の圧倒的優勢です。

あとは、局後の検討でいわれていたことですが、白54のヒラキに対して黒は55とツケましたが、次に白から右下小目の黒石の左あたりにツケを打たれると返しが難しく、結局黒55のツケはよくなかったという話になりました。実戦は56のハネから直接行ってしまったのでここも白の取られとなって、逆転の見込みはほぼなくなりました。

123手完、黒中押勝ち

※ 棋譜には124手目がのっていますが、実戦ではこの着手の直後白が投了したため、124手目を無効と判断して123手完としました。

局後に言っていましたが、内田さんは三連星をよく打つわけではないそうです。慣れない布石でうまくいかなかったようですが、何事も経験です。この対局で得た知見を活かして、今後ますますの向上を期待したいですね。

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革命的格言講座・32

インターネットで2011年から2016年まで開講した義行流革命的格言講座のバックナンバーをYoutube革命的囲碁囲碁チャンネルで順に公開しています。
この格言講座は「囲碁サークルうさぎくらぶ」のHPに掲載し書籍も第1~6巻が出版されています。
書籍に掲載されている順に毎回3格言ずつ紹介していきますのでぜひご覧下さい。
今回は2014年2月24日の講座を公開します。

【今回紹介する革命的新格言】(第4巻)
スベリと星のヒラキは最悪の組み合わせ!
広いハサミに一間トビは大悪手!
シマリの価値はシマリの先に相手がいる方が高い!

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